韓国の年間行事 ~12月~
12月 クリスマス
日本と韓国、クリスマスの過ごし方はよく似ています。
一番大きな違いは、韓国ではクリスマスの12月25日は祝日とされていることです。
韓国にはキリスト教徒が多いことがその理由です。
それでは、韓国のクリスマスの過ごし方をご紹介します!
イルミネーションおすすめスポット
クリスマスが近づくと、街はクリスマスイルミネーションで輝きます。
特にデパートや百貨店では、毎年新しい趣向のイルミネーションで冬の夜空を彩ります。
私のオススメはソウル一番の繁華街である明洞!
明洞には商業ビルが多いので、ふらりと歩いているだけで
たくさんのイルミネーションを楽しめますが、
特に綺麗なのが地下鉄の乙支路入口を出てすぐのロッテタウンと呼ばれる一角です。
ロッテ百貨店やロッテホテルなど
ロッテ系列の建物が並んでいて、どの建物も華やかで目を奪われます。
もうひとつは清渓川(チョンゲチョン)!
清渓川とはソウルの中心部を流れる全長約6㎞の人口の川です。
特にスタート地点である清渓広場(光化門駅前)のイルミネーションは毎年素晴らしいです。
時間があればぜひ清渓川沿いを散策していただきたいです。
クリスマスの過ごし方
キリスト教徒の多い韓国には、いたる所に教会が建っています。
そもそもクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日ですから、
多くの人はイブとクリスマス当日の2日間は聖堂や教会に足を運び、礼拝に参加しています。
その他は日本と同じです。
友人同士集まってパーティーをしたり、家族で温かい時間を過ごしたり、
恋人同士はディナーを楽しんでいます。
プレゼントを贈り合う習慣もあり、帽子や手袋などの寒い冬の必須アイテムが人気です。
クリスマスの主役といえばサンタクロースですが、韓国では「サンタハラボジ」と呼ばれています。
「ハラボジ」とは「おじいさん」という意味です。とても親しみがこもっていますね。
子供たちはサンタハラボジを待ちわびています。
「いい子にしていればサンタハラボジがプレゼントをくれる」と教えられていて、
クリスマス当日の朝、枕元にプレゼントが置かれているのを楽しみにしているのです。
寒い寒い韓国の冬。でもクリスマスの韓国はとてもホットで活気に溢れています。
あなたも一度は韓国のクリスマスを味わってみませんか?
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韓国の年間行事 ~11月~
11月 ペペロデー
11月11日はペペロデーといいます!
「ペペロ」とは韓国のロッテ製菓が発売しているお菓子なのですが、
実はこのペペロ、日本のグリコ「ポッキー」と味も見た目も驚くほど似ているんです・・
11月11日には親しい人同士、ペペロをプレゼントし合い仲を深める日です。
加熱の一途を辿るペペロデー
日本でも最近は11月11日をポッキーの日というようですが、
それほど浸透していないようですね。
ペペロデーは1990年代半ばから広がり始め、
今ではすっかりメジャーなイベントになりました。
ペペロデーが近づくと、街はペペロ一色になってしまいます。
コンビニ・雑貨店・パン屋から化粧品店までが、ペペロの特設ブースを設けて売り出し始めます。
また、路上には大量のペペロを叩き売りする露天商なども現れます。
年々その種類も多様化していて、近年ではただペペロをあげるだけではなくなってきました。
1メートルの超ロングサイズや、通常サイズの箱が18個入った超ビッグサイズ。
ペアリングつきのペペロ、ペペロのようなお箸、ぬいぐるみつきのデコレーションセットなどなど。
もはやペペロが関係なくなってしまったプレゼントを見かけることもあり、その進化に驚かされます。
ペペロデーは誰だって楽しめる!
バレンタインデーやホワイトデーとは違い、カップルでなくても楽しめるのがペペロデーです。
家族のためにたくさん買って帰るお母さんもいれば、仲間で分け合って食べる男子学生もいます。
年齢も性別も関係なく、それぞれの楽しみ方ができるイベントです。
実は私も驚くようなペペロをもらったことがあります。
ペペロデーに友人の韓国人男性に呼び出されたので行ってみると、
通常サイズのペペロを24箱使い、テープで綺麗に貼り付けられた
大きなハート型ペペロを渡されました。
なんと3時間かけて手作りしてくれたそうで、その熱意に私はただただ驚かされました。
彼は驚く私の顔を見て満足して帰って行き、私は大きなハートで顔を隠しながら一人家路に着きました。
そこから4ヶ月ほどかけて24箱のペペロを食べ、
もうペペロは食べたくないと思った、淡い思い出です。
みなさんも韓国に行った際にはペペロを探してみてください!
ペペロの他にも日本のものにそっくり!?なお菓子を見つけることができると思いますよ!
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韓国の年間行事 ~10月~
10月 ハングルの日
10月9日はハングルの日、朝鮮半島固有のハングル(文字)が発表された日です。
現在は祝日ではないですが、この日はハングルに関する様々なイベントが開催されています。
ハングルの「ハン」は偉大、「グル」は文字という意味を持っています。
ハングルは他言語にはない特徴を持っていて、他言語からの影響が少ない独創的な言語です。
その解説書である「訓民正音」は世界記録遺産にも指定されています。
ハングルを作った人物
朝鮮王朝第四代王 世宗大王(セジョンテワン)がハングルを作った人物です。
世宗大王は学業に長け、多くの功績を残しましたが、
中でも最も大きなものがハングルの創製でした。
韓国人が最も尊敬する歴史上の人物がこの世宗大王です。
もともとは中国から伝わった漢字が使われていた朝鮮半島。
しかし、もっと分かりやすい独自の言語を作りたいという思いから、
世宗大王はハングルを考案しました。
1446年にハングルの解説書である「訓民正音」(フンミンジョンウン)が公布され、
ハングルは朝鮮半島固有の文字として国民に浸透していきました。
ハングルの日の様子
1970年に制定されたハングルの日。
ハングルの継承、保存、普及、発展などを推奨すると同時に、世宗大王の功績を称える日です。
それにちなんで文化発展に貢献した団体や個人に与えられる「世宗文化賞」の授与式が
この日に行われています。
また、学校などでは作文・論文大会が行われることが多いです。
私が通っていた韓国語学校では詩または小論文のコンテストが毎年行われていました。
ハングルを学びたいあなたへ
ハングルは一見すると記号のようでとっつきにくく思われがちですが、
実は覚えやすい言語なのです。
ひとつの文字は母音と子音が組み合わさってできています。
例えば「나라」という単語を分解すると、「ㄱ」が「n」、「ㅏ」が「a」、「ㄹ」が「r」です。
つまり、発音は「nara」となります。(ちなみに「나라」は「国」という意味です)
このように基本の記号さえ覚えてしまえば、あとは組み合わせるだけで
読み書きができるようになるのです。
ハングルに少し興味を持っていただけましたか?ハングルの日を機会にハングルに触れてみませんか?
日本語との共通点も多いハングル、知れば知るほど面白くなってくるはずですよ!
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韓国の年間行事 ~9月~
9月 韓国を代表する秋の名節~秋夕(チュソク)~
旧暦の8月15日は秋夕(チュソク)といって、韓国の秋の一大イベントです。
2011年は9月12日が秋夕当日で、9月10日から13日までの4連休となりました。
秋夕は旧正月(ソルラル)、寒食(ハンシッ)、端午(タノ)と並ぶ韓国4大名節のひとつです。
その中でも、旧正月と並んで特に重要視されています。
昔は「一年で月が最も輝く日」といわれ、この日には盛大なお祭りが行われていました。
現在にもその慣わしが伝わっています。
家族一同が故郷に集まり、先祖の墓参りなどをして、温かい時間を過ごします。
秋夕を迎える準備
韓国を代表する名節。一大イベントですから、当日を迎えるまでに準備が必要です。
まずは1ヶ月前、先祖の墓の掃除からスタートです。
秋夕当日に墓参りをしますが、それまでに夏の間荒れてしまった墓を綺麗にするのが原則です。
これを伐草(ボルチョ)といい、「伐草をしなければ子孫ではない」といわれるほど
大事なことなので、伐草をするためだけに秋夕より前に里帰りをする人がたくさんいます。
2、3週間前になるとデパートや大型スーパーなどに
秋夕の贈り物を並べた特設ブースができます。
旧正月と同様に、日頃お世話になっている人や両親に贈り物をするのです。
日本でいうお中元ですね。
商品券や食品、生活雑貨など、実用性の高い贈り物が人気です。
秋夕直前になると、民族大移動が起こります。
これも旧正月と同様ですが、田舎に帰る人で交通機関は大混雑です。
空港・駅・バスターミナルは早朝から人でごった返し、高速道路も大渋滞になります。
また、家族を迎え入れるほうの家では、連休中にみんなで食べるだけの食材が必要になります。
先祖の祭壇に並べる料理の材料も調達しなければなりません。
そのため各地の市場は主婦で溢れ返り、大盛況となります。
秋夕の過ごし方
秋夕当日の朝は家族みんなで、先祖の霊を迎えるための茶礼(チャレ)を行います。
茶礼は韓国の法事である祭祀(チェサ)を家庭でもできるように簡略化したものです。
旧正月でもこの茶礼が行われますが、秋夕では秋に収穫したばかりの新米や旬の果物などを
お供えします。
茶礼を行い朝食をとったら、家族揃って墓参りに行きます。墓参りをソンミョといいます。
韓国スタイルでは墓に向かって膝をついて座り、頭が地面につくほど深々とお辞儀をします。
秋夕の代表的な名節料理は松餅(ソンピョン)です。
ゴマと砂糖で作ったソースや小豆などが入ったお餅で、松の葉の上で蒸して作ります。
秋夕のソウルのすがた
ここ数年は秋夕連休の間も営業する店が少しずつ増えてきました。
観光スポットもほとんどは開場しており、秋夕ならではのイベントも開催されています。
しかし、大通りを走る車はまばらで、繁華街を歩いている人も少なくなります。
特に市場や商店、デパート、食堂などは休業している場合が多いです。
「韓国初心者」「普段の韓国を楽しみたい」「買い物を楽しみたい」という方は、
秋夕を避けて旅行の計画を立てることをお勧めしますよ!
旧正月と同様に、普段離れ離れになっている家族を結び付けてくれる大事な日が秋夕です。
昔から先祖を大切にしている姿勢は変わっておらず、日本人も見習わなければいけないですね。
今後も家族で過ごす温かい日が受け継がれていくことを願いたいです。
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韓国の年間行事 ~8月~
8月 8・15光復節(クォンボッチョル)
8月15日は日本の支配から解放された独立記念日で光復節(クォンボッチョル)といいます。
韓国は1910年8月29日に日本に併合され、屈辱的な支配を受けてきました。
1945年8月15日の日本の敗戦(終戦)と同時に開放されたのです。
8月15日は日本では終戦記念日で、戦争の犠牲者を慰霊する日ですね。
それと同じ日、韓国では日本から開放されたことを記念した祝賀行事が行われているのです。
そのことをどれほどの日本人が知っているでしょうか?
光復節の祝賀行事
8月15日は1948年8月15日の大韓民国政府が樹立された記念日でもあります。
この日は天安にある独立記念館を会場に、大統領も参加する大々的な祝賀行事が行われます。
また家庭や企業では太極旗を掲げ、韓国各地で記念イベントが行われています。
最も大きなイベントが行われるのがソウル市庁前。
イベント参加者みんなで行う万歳三唱や、歌手によるライブコンサートで盛り上がります。
日本に併合されていた頃の写真や資料が展示されたり、パレードなども行われます。
日本に対する反応
基本的には数ある祝日のうちの一つであり、多くの人はいつもの休日を楽しんでいます。
しかし、光復節が近づくと、日本との歴史問題がメディアで取り上げられることが多くなり、
日本に対して厳しい批判を示すような報道が増えるのも事実です。
また、繁華街では竹島問題などに対する大規模なデモが行われる場合も多いので、
日本人観光客がその現場に遭遇してしまうこともよくあるでしょう。
だからといって日本人に危害が及ぶようなことはありませんのでご安心ください。
日本人も韓国人を8月15日のことを決して忘れず、
両国の歴史を振り返り、改めて考える日になればいいですね。
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韓国の年間行事 ~7月~
7月 一年で一番暑い時期~三伏(サンボク)~
韓国には伏日(ポンナル)という日が3日あります。
最初が初伏(チョボク)、次が中伏(チュンボク)、最後が末伏(マルボク)です。
2011年は初伏が7月14日、中伏が7月24日、末伏が8月13日でした。
韓国ではこの3日をまとめて三伏(サンボク)といい、初伏から末伏までが
一年で最も暑い時期とされています。
暑さを乗り切るため、三伏の日には栄養満点のスタミナ料理を食べます。
三伏料理の代表、参鶏湯(サムゲタン)!!
一匹丸々の鶏の中にもち米・朝鮮人参・ニンニク・ナツメ・栗などを
詰めて煮込んだ滋養食が参鶏湯です。
スープはさっぱりとしていますが、
鶏一匹が入っているので見た目よりボリュームがあります。
鶏肉は低脂肪でコラーゲンも多く、肌や骨にとてもいいですね。
朝鮮人参は心臓機能を高め、ニンニクは滋養強壮効果が高く、ナツメや栗は貧血を予防してくれます。
夏の疲れた体を元気にしてくれるスタミナ料理としては申し分ありません!
韓国人は暑い夏に熱々の参鶏湯を食べて汗をかきながら、
「シウォナダ!!」(涼しい、爽快)と叫びます。
実は根強い人気の犬の肉!?
あまり知られていませんが、韓国では昔から犬肉を食べる文化がありました。
もともと三伏の日にはケジャングッ(犬肉の鍋)を食べるのが定番だったほどです。
しかし、国際的に犬肉を食べることが問題化されたり、
現在はペットとして犬を飼う人も増えたため、
いつからかケジャングッを食べる人もお店も減り、
三伏料理の代表の座を参鶏湯に奪われてしました。
そんな今でも三伏の日になるとケジャングッの店は賑わいます。
特に年配のお客さんが多いようですが、犬肉は根強い人気を誇っているのです。
五臓に良く、胃腸を丈夫にし、血液循環を円滑にし、気力を増進させる・・・
などと、とにかく犬肉は体にいいと言われており、補身湯(ボシンタン)という名前もあります。
実際の味わいはというと、脂身が少ない淡白な牛肉のような感じでしょうか。
身はホロホロと崩れてしまうほど柔らかいですが、繊維はしっかりしています。
少し臭みはありますが、濃いめの味付けがされているためさほど気になりません。
犬肉というだけで倦厭されがちですが、一度食べたらクセになる美味しさです!!
参鶏湯は日本でも手軽に食べられるようになりました。
三伏の日に限らず、ちょっと疲れたな・・という時に食べてみてはいかがでしょうか!
そして私個人としては、犬肉への挑戦をお勧めします!あなたもハマってしまうかもしれませんよ!?
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韓国の年間行事 ~6月~
6月 初夏の風物詩~端午(タノ)~
端午(タノ)は旧正月(ソルラル)、寒食(ハンシッ)、秋夕(チュソク)と並ぶ
韓国4大名節のひとつです。
旧暦の5月5日のことで、2011年は6月6日でした。
日本の5月5日も端午の節句。男の子の成長を祈願する日ですが、
韓国の端午は田植えや作物の種まきが終わり、その年の豊作を祈願する日です。
また病気が流行りやすく、まもなく梅雨に入るという時期なので、
厄払いの意味も込められています。
端午祝祭(タノチュッチェ)
韓国各地では毎年、端午祝祭(タノチュッチェ)という祭りが開催されています。
豊作祈願や厄払いの風習が受け継がれているもので、初夏の風物詩となっています。
「一年で最も陽気な日」「勢力旺盛な日」とも言われています。
端午祝祭でよく見かけるのはシルム大会。
シルムとは足と腰にまわした紐をつかみ合って相手を倒す、日本の相撲によく似た競技です。
もともとお洒落な女性の遊びとされていたクネティギも端午祝祭で楽しまれています。
クネティギとは長い紐で吊るされた大きなブランコに乗る遊びです。
昔の女性が綺麗な韓服をなびかせてクネティギをする姿は、とても優雅だったでしょうね。
端午の風習と料理
端午は厄除けをする日でもあります。韓国で厄除け効果があると言われているのが菖蒲。
女性は端午の日に菖蒲をゆでたお湯で髪の毛を洗う風習があります。
また菖蒲の根でかんざしを作り、その先端を赤く染めて頭に飾ると、
頭痛や災いを避けられると言われています。
男性は菖蒲の根で腰飾りをつくる身に付けてたそうです。
また身近な人同士で扇子を贈りあう風習もあります。
「端午を境に夏が来る」という考えから、暑い夏を乗り切る道具として扇子を贈りあったのです。
端午には、菖蒲と並んで厄除け効果があるといわれているヨモギを使った料理を食べます。
代表的なものは車輪餅(スリトッ)という車輪のような模様に型押しされたヨモギ餅です。
エンドゥファチェという、ユスラウメを使った冷たい飲み物も好んで飲まれています。
どちらも夏バテを防ぐ栄養食としても知られています。
暑い夏を乗り切るための知恵がたくさん詰まった端午の日。
しかし、現在はこれらの風習も端午祝祭やイベントで体験できる程度になってきています。
昔からの伝統文化が消えてしまわないことを祈りたいですね。
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韓国の年間行事 ~5月(後)~
ソンニョネナル(成年の日)
成年の日とは大人の仲間入りをする大事な日で、日本でいう成人の日です。
韓国では毎年5月の第3月曜が成年の日となっています。
日本のように祝日ではなく、現在では式典なども行われていません。
友達、恋人、家族などで過ごすのが一般的で、
韓国ならではの方法で大人としての第一歩を踏み出す日を祝っています。
成人したことを祝う儀式、成年礼(ソンニョルレ)
現在では伝統的な儀式を体験するイベントとして開催されているだけですが、
20世紀半ばまで各地で行われていた成年の日の儀式が成年礼(ソンニョルレ)です。
儀式では、成人の証となる髪形・衣服に替えることがメインイベントとなります。
女性は後ろ髪をまとめてかんざしを指し、おでこにまげのような飾りをつけます。
男性はサントゥと呼ばれる帽子を被ります。
成人の身なりになったら、大人たちに頭を下げ深々と挨拶をし、
そのあと酒や茶の飲み方を教わります。
大人になった彼女へ、3つのプレゼント
成年礼(成人式)が行われなくなった韓国では、友達・恋人・家族などと成年の日を過ごしています。
中でも恋人達の成年の日の過ごし方は特徴的です。
大人の仲間入りをした彼女に、彼氏から贈る3つのプレゼントがあるのです。
それは・・・20本のバラの花束、香水、ファーストキス!!!!
なんてロマンティックなのでしょうか。どれも大人の雰囲気を醸し出すプレゼントです。
成人になるまではキスもお預けだなんて、恋愛に対する韓国人の純粋さが伝わります。
最近ではこの3つにペアリングをプラスする男性も多いんだとか。
スーツや羽織袴といった一世一代の正装で盛大な祭典に参加する日本とは大違いです。
特に韓国の恋人達にとっては成人の祝いの日というより、愛を確かめ合う日になっているようですね。
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韓国の年間行事 ~5月(中)~
ススンエナル(先生の日)
「ススンエナル」を直訳すると「師匠の日」です。
5月15日は毎日学校でお世話になっている先生や、かつての恩師に対して感謝を伝える日です。
もともとはじまりは5月24日の「恩師の日」でした。
それが1965年に世宗大王(セジョンテワン)の誕生日である5月15日に変更され、
名称も改められました。
世宗大王とは、ハングル文字を作るなど数多くの功績を残した、韓国人が最も敬う歴史上の人物です。
それと関連するススンエナル。師匠・先生を強く敬う韓国人の精神がうかがえます。
贈り物を抱えて登校する子供たち
5月15日になると学校周辺の文房具店が花屋に変身してしまいます。
自分のおこづかいで買った小さな花束や、親に持たされたのであろう大きな花かご・・・
この日の子供たちはいつもの荷物と一緒に贈り物を抱えて登校します。
驚きの高額プレゼント!?
花以外にも、女性の先生には化粧品や香水、男性の先生には財布やベルト、
実用性を考えた商品券など、先生の気が引けてしまうほど高額な贈り物も・・
高校・大学・大学院と教育機関が上がれば上がるほど贈り物も高額になる傾向にあります。
「いい贈り物をして子供のことをもっと見てもらおう」
という親心から、贈り物合戦は年々激しくなっており、
これは韓国では非常に深刻な社会問題のひとつです。
韓国の教育事情
日本も今となっては学歴を重視する傾向が薄くなってきましたが、
韓国は現在でも学歴がものをいいます。
そのため、子供の成績に直接関わる先生が、親にとっては特別大事な存在なのです。
韓国には寸志(チョンジ)という風習があります。
これは人に物を頼んだりお願いをする時にお金を渡すことで、簡単にいうと賄賂です。
ススンエナルがその絶好の日となり、寸志やそれと同等の高額な贈り物をする親が増えています。
これに対し、
ススンエナルを休校にする学校も増え、ススンエナルを廃止すべきという声もあがっていますが、
子供を持つ保護者たちの多くが「ススンエナルの廃止に反対!!」を唱えているのです。
「感謝の気持ちを伝える日」から形を変えてしまったススンエナル。
子供への強い愛情の裏返しとも言えますが、本来の意味をしっかり考え直すべきなのかもしれません。
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韓国の年間行事 ~5月(前)~
5月 オボイナル(父母の日)
儒教が根強く残る韓国は「親孝行の国」とも言えます。
両親に感謝の気持ちを伝える大事な日がこのオボイナル、5月8日です。
「オボイ」とは「お母さんお父さん」を合わせていう言葉です。
日本の「母の日」「父の日」がひとつになったようなものですが、日本との違いはあるのでしょうか?
はじめは「母の日」だけだった!?
そもそも1950年代後半頃からオモニナル(母の日)がありました。
文字通り母親へ感謝する日ですが、少しずつ男性から不平等を訴える声があがりました。
「母の日があるなら、父の日があってもいいだろう!!」と。
その声が届き、1973年の各種記念日などに関する規定で
オボイナル(父母の日)に変更されたのです。
良かったですね、世の中のお父さん達!!
色濃く残る儒教の教え
韓国の文化を知っていくと、儒教の教えが強く残っていることを感じさせられます。
年齢を重視する傾向にあり、年上の人・年配の人をとても敬うのがその一つです。
日本も「年上の人には敬語を使う」など年上を敬う文化はありますが、
韓国の方がより徹底されています。
儒教の教えの中で「親子」というのは、社会の中で最も基本となる関係です。
ですから、父も母も特区別せずに「親」に感謝する日となっています。
日頃親同然にお世話になっている人(下宿先のおばさんなど)にも、
この日に感謝の気持ちを伝えたりします。
日本との違いは?
日本と同じようにカーネーションを贈る習慣があるため、
5月8日になるとデコレーションされた花束や鉢植えなどが並ぶ出店が現れます。
またカーネーションをコサージュのように胸元につけて歩いているお母さんをよく見かけます。
カーネーションと一緒に贈り物をするのも定番。これも日本と同じですが、違うのはその中身です。
プレゼントとして圧倒的に多いのは、現金または商品券!!
日本では「プレゼントで両親に現金をあげる」という光景はあまり見かけないですよね?
しかし、韓国では「これをあげれば間違いない」というとても合理的で失敗の無いプレゼントなのです。
そして中には「若く健康でいられるように」という願いから、
母親にシワを除去する整形手術を、父親に健康診断をプレゼントするなんていう人も!!
時代と共にそのプレゼントの内容も多岐に渡ってきています。
子供が親を思う気持ちがとっても強く、家族の絆が深い韓国。
オボイナルに使う予算は2万~2万5千円程度という人が最も多いです。なかなかの高額ですよね。
金額からも親を大切に思い感謝していることがよくわかります。
日本人の私達も、少し見習わないといけないですね。