韓国の年間行事 ~9月~

9月 韓国を代表する秋の名節~秋夕(チュソク)~

旧暦の8月15日は秋夕(チュソク)といって、韓国の秋の一大イベントです。
2011年は9月12日が秋夕当日で、9月10日から13日までの4連休となりました。

秋夕は旧正月(ソルラル)、寒食(ハンシッ)、端午(タノ)と並ぶ韓国4大名節のひとつです。
その中でも、旧正月と並んで特に重要視されています。

昔は「一年で月が最も輝く日」といわれ、この日には盛大なお祭りが行われていました。
現在にもその慣わしが伝わっています。

家族一同が故郷に集まり、先祖の墓参りなどをして、温かい時間を過ごします。

 

秋夕を迎える準備

韓国を代表する名節。一大イベントですから、当日を迎えるまでに準備が必要です。

まずは1ヶ月前、先祖の墓の掃除からスタートです。
秋夕当日に墓参りをしますが、それまでに夏の間荒れてしまった墓を綺麗にするのが原則です。

これを伐草(ボルチョ)といい、「伐草をしなければ子孫ではない」といわれるほど
大事なことなので、伐草をするためだけに秋夕より前に里帰りをする人がたくさんいます。

2、3週間前になるとデパートや大型スーパーなどに
秋夕の贈り物を並べた特設ブースができます。

旧正月と同様に、日頃お世話になっている人や両親に贈り物をするのです。
日本でいうお中元ですね。
商品券や食品、生活雑貨など、実用性の高い贈り物が人気です。

 

秋夕直前になると、民族大移動が起こります。
これも旧正月と同様ですが、田舎に帰る人で交通機関は大混雑です。

空港・駅・バスターミナルは早朝から人でごった返し、高速道路も大渋滞になります。

また、家族を迎え入れるほうの家では、連休中にみんなで食べるだけの食材が必要になります。
先祖の祭壇に並べる料理の材料も調達しなければなりません。

そのため各地の市場は主婦で溢れ返り、大盛況となります。

 

秋夕の過ごし方

秋夕当日の朝は家族みんなで、先祖の霊を迎えるための茶礼(チャレ)を行います。

茶礼は韓国の法事である祭祀(チェサ)を家庭でもできるように簡略化したものです。
旧正月でもこの茶礼が行われますが、秋夕では秋に収穫したばかりの新米や旬の果物などを
お供えします。

茶礼を行い朝食をとったら、家族揃って墓参りに行きます。墓参りをソンミョといいます。

韓国スタイルでは墓に向かって膝をついて座り、頭が地面につくほど深々とお辞儀をします。

秋夕の代表的な名節料理は松餅(ソンピョン)です。
ゴマと砂糖で作ったソースや小豆などが入ったお餅で、松の葉の上で蒸して作ります。

 

秋夕のソウルのすがた

ここ数年は秋夕連休の間も営業する店が少しずつ増えてきました。
観光スポットもほとんどは開場しており、秋夕ならではのイベントも開催されています。

しかし、大通りを走る車はまばらで、繁華街を歩いている人も少なくなります。
特に市場や商店、デパート、食堂などは休業している場合が多いです。

「韓国初心者」「普段の韓国を楽しみたい」「買い物を楽しみたい」という方は、
秋夕を避けて旅行の計画を立てることをお勧めしますよ!

 

旧正月と同様に、普段離れ離れになっている家族を結び付けてくれる大事な日が秋夕です。
昔から先祖を大切にしている姿勢は変わっておらず、日本人も見習わなければいけないですね。

今後も家族で過ごす温かい日が受け継がれていくことを願いたいです。

 

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