韓国の年間行事 ~4月(後)~

ブラックデー~淋しい人のためのイベント~

4月14日、この日を韓国ではブラックデーと呼んでいます。
14日といえば2月14日のバレンタインデー、3月14日のホワイトデーが日本ではお馴染み。
韓国ではその2つのイベントに続くブラックデーが、1990年代後半になって突然できました。
そのイベントの正体とはいったい・・・

 

ブラックデーってなに!?

バレンタインデー・ホワイトデーは恋人達のためのイベントですが、
ブラックデーはその期間を淋しく過ごした人たちのためのイベントなのです。
ホワイトデーに対抗し、暗く淋しい気持ちを「黒」と例えブラックデーとなりました。

この日はバレンタインデー・ホワイトデーを淋しく過ごした人達が集い、
一緒にチャジャンミョン(韓国のジャージャー麺で真っ黒な料理)を食べます。

みんなで励ましあいながら黒い料理を食べ、
暗い気持ちを吹き飛ばそう!というユーモアから生まれました。

 

黒い料理、チャジャンミョンとは?

ブラックデーは中華料理店が繁盛します。
その日、中華料理店を訪れた人はみんな同じ、チャジャンミョンを注文します。

チャジャンミョンとは韓国風ジャージャー麺です。
日本では中華麺のうえに甘辛いひき肉ソースとキュウリがのっているのがジャージャー麺ですよね?

韓国風にアレンジされたチャジャンミョンは、ちょっと太めの麺(給食のソフト麺程度)のうえに、
豚肉やたまねぎを真っ黒の味噌で炒めたソースがかかっています。
それを箸でぐちゃぐちゃとよく混ぜて食べるのです。

 

辛くはなく、香ばしくてまろやか。日本にはない味わいでクセになります。
タンムジ(日本にもある黄色いたくわん)と一緒に食べます。

韓国人はチャジャンミョンをよく食べます。
韓国ドラマのなかでもよく登場するので、見たことがある方も多いのではないでしょうか?
お店に行って食べるだけではなく、出前料理としても定番です。

 

ブラックデーは徹底的に!

最近ではブラックデーを楽しむ傾向にあるようです。
洋服はもちろん下着や靴下までオールブラックでコーディネイトし、
チャジャンミョンを食べ、ブラックコーヒーを飲む!

そんな徹底したブラック族を見かけることもあります。

またブラックデーに集まった者同士で盛り上がり、
そこでカップル成立!!なんてこともあるそうですよ。

 

バレンタインデー・ホワイトデーを淋しく過ごしても、それを笑いあいながら吹き飛ばす!!
ブラックデーという名前とは反対に、前向きで明るい素敵な日だと思いませんか!?

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韓国の年間行事 ~4月(前)~

4月 寒食(ハンシッ)

毎年4月5日、6日頃に訪れる名節が寒食です。
12月下旬の冬至(トンジ)から105日目にあたる日をいいます。
寒食は旧正月(ソルラル)、端午(タノ)、秋夕(チュソク)と並ぶ韓国4大名節のひとつです。

 

寒食のはじまり

寒食はその名前の通り、冷たい料理を食べる日です。その起源は何なのでしょうか?

最も代表的な説は、昔々、中国の晋で起きた出来事の影響だと言われています。
当時の王であった晋文公が自らの過ちで山に火を放ち、そのせいで大切な人を死なせてしまいました。
それを悔いて、毎年その命日には火を使うことを禁じ、人々は冷たい食事をしたという話です。

 

寒食の習わし

昔はいろいろな行事が実施されていた寒食ですが、今日では先祖の墓参りだけが習慣となりました。
冬の間に荒れた墓とその周辺を掃除し綺麗に整えます。

そして墓に向かって膝をつき、頭を深々とさげて挨拶をするのです。
墓の前に果物やお菓子など食べ物を並べ、祭祀を簡略化した茶礼(チャレ)を行う家庭もあります。
また農家ではこの日が作物の種を蒔く日となっています。

 

寒食に食べる冷たい食べ物として代表的なのが日本の蕎麦とそっくりなメミルクッスです。
また前日に作っておいた料理を、寒食当日に冷たいまま食べていました。
しかし最近ではあまり気にせず、普段のような食事をとるようになってきています。

初春を迎えたくさん採れるようになったヨモギを使った餅や汁物なども寒食料理として知られています。

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韓国の年間行事 ~3月(後)~

ホワイトデー

3月14日はホワイトデー!!

バレンタインに告白し、その返事を待っている女の子!
彼氏からのお返しに期待している女の子!

韓国も日本も同じ、ドキドキワクワクの一日ですね。
バレンタインデーもホワイトデーも、近年になって日本から入ってきた文化です。

 

バレンタイン後、それまでバレンタイン仕様だったコンビニやパン屋が
ガラッとホワイトデー仕様に変わります。

綺麗に飾り付けられたキャンディーなどのお菓子がズラリと並びます。

 

ホワイトデーのお返しもやっぱりド派手!?

カップルの場合は彼女へのお返しとして、
キャンディーなどのお菓子にプレゼントをプラスするのが基本です。

花束や超特大ぬいぐるみが定番ですが、
アクセサリーや下着、香水などをプレゼントするのも流行っています。

バレンタインと同様に華やかに飾ったバスケットにプレゼントを詰めて贈ります。
日本と違うのはやはりココですね。

バスケットが大きく華やかであればあるほど、
ホワイトデー当日の彼女の笑顔も華やかになるのでしょう。

 

しかし最近ではエコ意識の高まりからか、「過剰包装反対!」を訴える運動も起こっています。

また、バレンタインの際に日本の義理チョコと同じような
「礼儀上チョコ」を配る文化が浸透してきたため、

それまでホワイトデーとは縁遠かったお父さん世代も、
お返し物選びに頭を抱えているのが最近の光景です。

 

ホワイトデーに対抗するブラックデー!?

日本ではバレンタインデー・ホワイトデーでおしまいですが、韓国ではまだまだ終わりません!!
翌月4月14日にホワイトデーに続くイベントがあるのです。その名もブラックデー!!

その詳細は「年間行事 4月」をご覧ください!

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韓国の年間行事 ~3月(前)~

【3月】 3・1節(サミルジョル)~日本からの独立を求めて~

3・1節は制憲節(7/17)・光復節(8/15)・開天節(10/3)とともに
韓国4大祝日となっています。

日本の植民地支配に抵抗し、大規模な独立運動が行われたのが1919年3月1日。
その運動をたたえ、1949年に祝日となりました。

日本と深く深く関わりのあるこの祝日。
日本人なら知っておくべきではないでしょうか。

 

3・1独立運動について

1910年に日韓が併合され韓国は日本の植民地とされました。
それから10年後の1919年3月1日正午。

パコダ公園(現在のタプコル公園)にて独立宣言書が読まれました。
子供も学生も主婦も、世代や階層関係なく立ち上がった人々は、
武器を持たずにただただ「独立万歳」と叫びながら、太極旗を振り続けたのです。

しかしそれに大して日本軍は弾圧を行い、7500名近くが無差別に殺害されました。

 

 

3・1節の記念行事

現在では文化交流も盛んになり日本と韓国の関係はとても身近なものになりました。
しかしそんな今でも、韓国国民にとって大きな意味を持つのがこの3・1節です。

街や家の軒先などに太極旗が掲げられ、タプコル公園周辺では記念行事が行われます。
万歳運動が再現されたり、国学の演奏が行われたり、写真などの展示が並んだりします。

 

またこの日は、歴史の教科書問題や竹島問題などの現在の日本と韓国が抱えている問題に対し、
デモ運動や集会が開かれることも多いです。

日本人がこの行事に参加してはいけないとか、危険な目に遭うなんてことは決してありません。
雰囲気としては楽しいお祭り・イベントが開催されている感じです。
この祝日の意味を知っている日本人は居づらいかもしれませんが、
自由と平和の大切さを体感でき、日韓両国の歴史について考えさせられることでしょう。

 

独立運動に関してもっと知りたい方へ

地下鉄3号線の独立門駅に「西大門刑務所歴史館」があります。
日本政府が独立運動家を投獄した監獄や処刑場が残っています。
また取り調べの際に行った拷問が人形で再現されています。

その雰囲気は物々しく、目を覆いたくなるような展示物もたくさんあります。。
特に日本人である私はとても平常心で見て回ることができませんでした。

 

この歴史館に行くことをお勧めしているわけではありませんが、
日本では知ることの出来ない事実がそこにはあります。
日本人が忘れてしまっている歴史が韓国ではこのように残っているんだ・・と衝撃を受けるでしょう。

 

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韓国の年間行事 ~2月(後)~

無病息災を願う日~テボルム~

旧暦の1月15日はテボルムという韓国で代表的な年間行事のひとつです。
2011年のテボルムは2月17日でした。

テボルムとは「一番大きな満月の日」という意味で、お月見をする日です。
月の動きに従った陰暦を用いていた昔は、満月が浮かぶ15日を大事に考えていました。
中でも一年で一番最初の満月は特別なもので、無病息災・豊作祈願をしたのです。

 

テボルムの食事

テボルムの朝には落花生・胡桃・栗などの殻の硬い果実を食べます。
これをプロムといい、硬い果実を噛む音が悪い運気を退けてくれると言われています。

またプロムという言葉には腫れ物という意味もあり、
これを食べれば一年間皮膚病にかからないとも言われているのです。

 

テボルムの日に特別に食べる料理を上元節食(サンウォルチョルシク)といいますが、
代表的なものが穀物の豊作を祈願して食べる五穀飯(オゴッパ)です。

白米・麦・もち米・小豆などの穀物のうち5種類を一緒に炊いたものです。
地方によって混ぜる穀物の種類は違います。

 

おかずにはムグンナムルといわれる9種類のナムル(和え物)が並びます。
ゼンマイ、シイタケ、大根、豆モヤシ、かんぴょうなどがその材料で、
冬の間に保存していたものを片付ける意味でテボルムに食べてしまうのです。

テボルムにナムルを食べると夏バテをしないと言われています。

 

 

テボルムの伝統遊戯

テボルムの日は凧揚げ(ヨンナルリギ)をします。

空高く凧が上がったら糸を切り、凧を空へ飛ばしてしまうのです。
悪い運気を凧に乗せて遠くへ飛ばしてしまうという意味を持っています。

 

またその年の豊作を占うタルチッテウギもテボルムならではの光景です。
藁や松の枝などを家のような形に積んだタルチッ(月の家という意味)に火をつけ、
均等に燃えれば豊作、途中で火が消えてしまえば凶作といった具合に占います。

その他にも豊作を願う儀式のピョッカリッテやチュイブルノリなど、
様々な風習が残っています。

 

テボルムの日はいたる所で凧揚げやタルチッテウギなどの
伝統文化が体験できるイベントが開催されています。

普段は触れることのできない韓国の伝統文化を、あなたも体験しに行ってみませんか??

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韓国の年間行事 ~2月(中)~

バレンタインデー

韓国も、2月14日はバレンタインデーで盛り上がります。
大好きな彼にチョコレートを渡し、愛の告白をする大事な日!
日本の女の子と同じように、韓国の女の子にとってもバレンタインデーは一大イベントです!!

 

韓国のチョコレートはド派手!?

バレンタインデーの2週間ほど前になると、コンビニもパン屋も雑貨屋も、
「突然チョコレート店になってしまったの!?」と思うほど様変わりします。

店の入口にはチョコレート専用ブースが立てられ、
綺麗にデコレーションされたたくさんの種類のチョコレートやペアグッズなどが所狭しと並びます。

 

中でも目を引くのが
カラフルなリボンやフリルで派手に飾りつけられたバスケットです。

そのバスケットの中にたくさんのチョコレートやぬいぐるみなどが入っています。
だいたい値段は3万ウォンぐらいで、これは本命の男の子に買うのが定番です!!

 

またこのバスケット、愛を込めて手作りする女の子もたくさんいます。
バスケット自体は市場に行けば買うことができ、
それに自分でリボンやお花などをつけて飾り付けるのです。

世界でひとつだけのオリジナルバレンタインバスケット!もらった彼氏は本当に嬉しいでしょうね。

 

しかし日本のように
材料を揃えてチョコレートをいちから手作りするという人はほとんどいません。

スーパーなどに行ってもお菓子を手作りできるような材料は売っていないのです。
韓国では出来ているチョコに簡単にデコレーションをする程度で、
それよりもラッピングに力を入れています。

 

韓国にも義理チョコがあるの!?

では本命ではない人には・・?

これも日本と同じように義理チョコの文化があります。
会社の上司や同僚、男友達にはお手頃なチョコレートをあげることが多いです。
韓国では「礼儀上チョコ」というニュアンスで呼ばれています。

 

バレンタイン当日の街では・・

待ちに待ったバレンタイン当日!繁華街はカップルで溢れかえります。
「俺はチョコもらったぞ!」と言わんばかりに、
彼氏の手にはド派手なバスケットが大事そうに握られています。

日本の男の子は恥ずかしがって受け取ってくれないかもしれませんが、
韓国の男の子にとってはバスケットを持って彼女と歩けることはとても誇り高いことなのです!

そうして食事をして記念の写真を撮って、また愛を深めていくのでしょうね。

 

バレンタインデーに関しては、日本と韓国はよく似ていますね!?

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韓国の年間行事 ~2月(前)~

2月

韓国の本当の正月~旧正月(ソルラル)~

ソルラルとは旧暦の1月1日、旧正月のことです。

韓国では西暦の1月1日よりも旧正月のほうが大事な行事とされています。
日程は1月終わりから2月頭にかけてで毎年変わりますが、2011年は2月3日が元旦でした。
(元旦の前後1日も祝日となります)

 

ソルラルでは日ごろお世話になっている人や両親に贈り物をします。
日本のお歳暮のようなものです。

最も喜ばれるのは商品券や現金!
他には朝鮮人参や蜂蜜などの健康食品や家電などなど種類が豊富です。

 

さて、贈り物を用意したらいざ出発!!
ここで問題になるのが帰省ラッシュ。

韓国では「民族大移動」と呼ばれているほど凄まじいものです。
駅やバスターミナルは人でごった返し、高速道路は歩いたほうが早いのでは?っと
思ってしまう程の大渋滞です。

それでもみんなソルラルに合わせて田舎に帰るのですから、
とても大事な行事なのがよくわかりますね。

 

 

ソルラルの祭事

ソルラル当日の朝は先祖の霊を迎えるための儀式である茶礼(チャレ)が行われます。

それには茶礼床(チャレサン)と呼ばれる祭壇が必要なので、
ソルラル前日の女性達はその準備に追われます。

ご飯、汁物、お餅、野菜に衣をつけて焼いたジョン、魚、肉、ナムルなどの
各種和え物、果物、伝統菓子など、20種類ほどの料理が茶礼床には並びます。

 

時間も労力もいるとても大変な作業なので、
ソルラルなどの名節を迎える頃になると体調が悪くなる「名節症候群」という言葉もあるほどです。
最近では茶礼に必要な料理や机など一式をデリバリーしてくれるサービスも人気だとか。

 

準備が整ったら男性の年長者から順番に茶礼床に向かって挨拶をします。
家庭によって多少異なるようですが、正座をして深々と手をついたり、

お酒を注いだりする儀式が行われ、先祖に対し日頃の感謝を表したり、
これからの子孫の繁栄を見守ってもらえるようお願いします。

茶礼が終わると食事の時間となり、茶礼床の料理と
トックク(薄切りのお餅が入ったスープ)を食べます。

 

韓国にもあるお年玉と正月遊び

茶礼や食事が終わると、子供たちが待ちに待ったお年玉の時間です。

日本と同じように大人から子供へ歳拝(セベ)とよばれているお年玉が渡されますが、
歳拝と一緒に「もっと勉強を頑張りなさい」「早くいい男を見つけなさい」などの
お言葉をいただくのが韓国式です。

 

また韓国の正月遊びとして最もポピュラーなのはユンノリという韓国式すごろくです。
その他にはコマ回しや凧揚げなど、日本と同じような遊びもあります。
大人達には花札が昔から根強い人気を誇っています。

 

このように韓国でも日本と同じようにお正月は家族で過ごす時間が大切にされているのです。

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韓国の年間行事 ~1月~

韓国では伝統的な節日のことを名節(ミョンジョル)といいます。

日本にはない名節や、日本と似ている名節、
その他の面白い行事を、1月から順番にご紹介します!

 

1月

1月1日~年越しはお祭り気分でノリノリ~

日本では大晦日から正月にかけてが一年のうちで最も大きな行事と言えますが、
韓国はそうではありません。

韓国では旧暦の1月1日が本当の正月です。

ですから、新年の休みは1月1日のみで、あとはカレンダー通りに動いています。
しかし日本と同じように年末年始は職場の同僚や友人たちで集まり、
忘年会や新年会で盛り上がります。

 

12月31日の夜。

街はクリスマスのままのイルミネーションですが、とても綺麗に輝いています。
街では歌手がライブを行ったり、民族楽団が街中を練り歩いたり、
さまざまなイベントが行われます。

最も人が集まるのが明洞(ミョンドン)という
ソウル一の繁華街のすぐ近くにある普信閣(ボシンガク)前です。

 

普信閣では日本と同じように除夜の鐘が鳴らされます。
0時から33回鳴らされるのですが、実際には除夜の鐘はおまけのようなもの・・

普信閣前以外もそうでうが、街のそこかしこで打ち上げ花火が売られており、
ほぼ全ての人がそれを買ってスタンバイします。

 

そして新年のカウントダウンが始まり・・・5、4、3、2、1、ハッピーニューイヤー!!!
と共に花火が打ち上げられるのです。

一瞬でソウルの空がカラフルな光に包まれ、それは幻想的で美しいです。
友人同士抱き合ったり、大声で歌を歌ったり、まさにお祭り気分で大騒ぎ。

ですから普信閣の除夜の鐘など聞こえるわけもありません。
気付いた時には鳴り終わっているのです。

 

そしてお祭り熱が冷めて人がいなくなった後に残されているのは、山のような花火のゴミです。

拾って帰るような人はいないので、
清掃員の方が朝までかかって掃除をしています。

 

このように韓国では、神社にお参りに行く厳かな雰囲気の
日本とは正反対の正月を過ごしているのです。

ちなみに「あけましておめでとうございます」は、
「새해 복 많이 받으세요.(セへボン マニ パドゥセヨ)」です。

直訳すると「新年、幸せをたくさん受けてください」となります。
とても温かくて素敵な言葉ですよね。

みなさんもぜひ覚えて、1月1日に言ってみてください!

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