韓国の年間行事 ~4月(前)~
4月 寒食(ハンシッ)
毎年4月5日、6日頃に訪れる名節が寒食です。
12月下旬の冬至(トンジ)から105日目にあたる日をいいます。
寒食は旧正月(ソルラル)、端午(タノ)、秋夕(チュソク)と並ぶ韓国4大名節のひとつです。
寒食のはじまり
寒食はその名前の通り、冷たい料理を食べる日です。その起源は何なのでしょうか?
最も代表的な説は、昔々、中国の晋で起きた出来事の影響だと言われています。
当時の王であった晋文公が自らの過ちで山に火を放ち、そのせいで大切な人を死なせてしまいました。
それを悔いて、毎年その命日には火を使うことを禁じ、人々は冷たい食事をしたという話です。
寒食の習わし
昔はいろいろな行事が実施されていた寒食ですが、今日では先祖の墓参りだけが習慣となりました。
冬の間に荒れた墓とその周辺を掃除し綺麗に整えます。
そして墓に向かって膝をつき、頭を深々とさげて挨拶をするのです。
墓の前に果物やお菓子など食べ物を並べ、祭祀を簡略化した茶礼(チャレ)を行う家庭もあります。
また農家ではこの日が作物の種を蒔く日となっています。
寒食に食べる冷たい食べ物として代表的なのが日本の蕎麦とそっくりなメミルクッスです。
また前日に作っておいた料理を、寒食当日に冷たいまま食べていました。
しかし最近ではあまり気にせず、普段のような食事をとるようになってきています。
初春を迎えたくさん採れるようになったヨモギを使った餅や汁物なども寒食料理として知られています。