韓国の年間行事 ~2月(後)~
無病息災を願う日~テボルム~
旧暦の1月15日はテボルムという韓国で代表的な年間行事のひとつです。
2011年のテボルムは2月17日でした。
テボルムとは「一番大きな満月の日」という意味で、お月見をする日です。
月の動きに従った陰暦を用いていた昔は、満月が浮かぶ15日を大事に考えていました。
中でも一年で一番最初の満月は特別なもので、無病息災・豊作祈願をしたのです。
テボルムの食事
テボルムの朝には落花生・胡桃・栗などの殻の硬い果実を食べます。
これをプロムといい、硬い果実を噛む音が悪い運気を退けてくれると言われています。
またプロムという言葉には腫れ物という意味もあり、
これを食べれば一年間皮膚病にかからないとも言われているのです。
テボルムの日に特別に食べる料理を上元節食(サンウォルチョルシク)といいますが、
代表的なものが穀物の豊作を祈願して食べる五穀飯(オゴッパ)です。
白米・麦・もち米・小豆などの穀物のうち5種類を一緒に炊いたものです。
地方によって混ぜる穀物の種類は違います。
おかずにはムグンナムルといわれる9種類のナムル(和え物)が並びます。
ゼンマイ、シイタケ、大根、豆モヤシ、かんぴょうなどがその材料で、
冬の間に保存していたものを片付ける意味でテボルムに食べてしまうのです。
テボルムにナムルを食べると夏バテをしないと言われています。
テボルムの伝統遊戯
テボルムの日は凧揚げ(ヨンナルリギ)をします。
空高く凧が上がったら糸を切り、凧を空へ飛ばしてしまうのです。
悪い運気を凧に乗せて遠くへ飛ばしてしまうという意味を持っています。
またその年の豊作を占うタルチッテウギもテボルムならではの光景です。
藁や松の枝などを家のような形に積んだタルチッ(月の家という意味)に火をつけ、
均等に燃えれば豊作、途中で火が消えてしまえば凶作といった具合に占います。
その他にも豊作を願う儀式のピョッカリッテやチュイブルノリなど、
様々な風習が残っています。
テボルムの日はいたる所で凧揚げやタルチッテウギなどの
伝統文化が体験できるイベントが開催されています。
普段は触れることのできない韓国の伝統文化を、あなたも体験しに行ってみませんか??