韓国の年間行事 ~5月(中)~

ススンエナル(先生の日)

「ススンエナル」を直訳すると「師匠の日」です。
5月15日は毎日学校でお世話になっている先生や、かつての恩師に対して感謝を伝える日です。

もともとはじまりは5月24日の「恩師の日」でした。
それが1965年に世宗大王(セジョンテワン)の誕生日である5月15日に変更され、
名称も改められました。

世宗大王とは、ハングル文字を作るなど数多くの功績を残した、韓国人が最も敬う歴史上の人物です。
それと関連するススンエナル。師匠・先生を強く敬う韓国人の精神がうかがえます。

 

贈り物を抱えて登校する子供たち

5月15日になると学校周辺の文房具店が花屋に変身してしまいます。
自分のおこづかいで買った小さな花束や、親に持たされたのであろう大きな花かご・・・
この日の子供たちはいつもの荷物と一緒に贈り物を抱えて登校します。

 

驚きの高額プレゼント!?

花以外にも、女性の先生には化粧品や香水、男性の先生には財布やベルト、
実用性を考えた商品券など、先生の気が引けてしまうほど高額な贈り物も・・
高校・大学・大学院と教育機関が上がれば上がるほど贈り物も高額になる傾向にあります。

「いい贈り物をして子供のことをもっと見てもらおう」
という親心から、贈り物合戦は年々激しくなっており、
これは韓国では非常に深刻な社会問題のひとつです。

 

韓国の教育事情

日本も今となっては学歴を重視する傾向が薄くなってきましたが、
韓国は現在でも学歴がものをいいます。
そのため、子供の成績に直接関わる先生が、親にとっては特別大事な存在なのです。

韓国には寸志(チョンジ)という風習があります。
これは人に物を頼んだりお願いをする時にお金を渡すことで、簡単にいうと賄賂です。
ススンエナルがその絶好の日となり、寸志やそれと同等の高額な贈り物をする親が増えています。

これに対し、
ススンエナルを休校にする学校も増え、ススンエナルを廃止すべきという声もあがっていますが、
子供を持つ保護者たちの多くが「ススンエナルの廃止に反対!!」を唱えているのです。

「感謝の気持ちを伝える日」から形を変えてしまったススンエナル。
子供への強い愛情の裏返しとも言えますが、本来の意味をしっかり考え直すべきなのかもしれません。

 

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