韓国の年間行事 ~5月(前)~
5月 オボイナル(父母の日)
儒教が根強く残る韓国は「親孝行の国」とも言えます。
両親に感謝の気持ちを伝える大事な日がこのオボイナル、5月8日です。
「オボイ」とは「お母さんお父さん」を合わせていう言葉です。
日本の「母の日」「父の日」がひとつになったようなものですが、日本との違いはあるのでしょうか?
はじめは「母の日」だけだった!?
そもそも1950年代後半頃からオモニナル(母の日)がありました。
文字通り母親へ感謝する日ですが、少しずつ男性から不平等を訴える声があがりました。
「母の日があるなら、父の日があってもいいだろう!!」と。
その声が届き、1973年の各種記念日などに関する規定で
オボイナル(父母の日)に変更されたのです。
良かったですね、世の中のお父さん達!!
色濃く残る儒教の教え
韓国の文化を知っていくと、儒教の教えが強く残っていることを感じさせられます。
年齢を重視する傾向にあり、年上の人・年配の人をとても敬うのがその一つです。
日本も「年上の人には敬語を使う」など年上を敬う文化はありますが、
韓国の方がより徹底されています。
儒教の教えの中で「親子」というのは、社会の中で最も基本となる関係です。
ですから、父も母も特区別せずに「親」に感謝する日となっています。
日頃親同然にお世話になっている人(下宿先のおばさんなど)にも、
この日に感謝の気持ちを伝えたりします。
日本との違いは?
日本と同じようにカーネーションを贈る習慣があるため、
5月8日になるとデコレーションされた花束や鉢植えなどが並ぶ出店が現れます。
またカーネーションをコサージュのように胸元につけて歩いているお母さんをよく見かけます。
カーネーションと一緒に贈り物をするのも定番。これも日本と同じですが、違うのはその中身です。
プレゼントとして圧倒的に多いのは、現金または商品券!!
日本では「プレゼントで両親に現金をあげる」という光景はあまり見かけないですよね?
しかし、韓国では「これをあげれば間違いない」というとても合理的で失敗の無いプレゼントなのです。
そして中には「若く健康でいられるように」という願いから、
母親にシワを除去する整形手術を、父親に健康診断をプレゼントするなんていう人も!!
時代と共にそのプレゼントの内容も多岐に渡ってきています。
子供が親を思う気持ちがとっても強く、家族の絆が深い韓国。
オボイナルに使う予算は2万~2万5千円程度という人が最も多いです。なかなかの高額ですよね。
金額からも親を大切に思い感謝していることがよくわかります。
日本人の私達も、少し見習わないといけないですね。