韓国の年間行事 ~6月~

6月 初夏の風物詩~端午(タノ)~

端午(タノ)は旧正月(ソルラル)、寒食(ハンシッ)、秋夕(チュソク)と並ぶ
韓国4大名節のひとつです。
旧暦の5月5日のことで、2011年は6月6日でした。

日本の5月5日も端午の節句。男の子の成長を祈願する日ですが、
韓国の端午は田植えや作物の種まきが終わり、その年の豊作を祈願する日です。

また病気が流行りやすく、まもなく梅雨に入るという時期なので、
厄払いの意味も込められています。

 

端午祝祭(タノチュッチェ)

韓国各地では毎年、端午祝祭(タノチュッチェ)という祭りが開催されています。
豊作祈願や厄払いの風習が受け継がれているもので、初夏の風物詩となっています。

「一年で最も陽気な日」「勢力旺盛な日」とも言われています。

端午祝祭でよく見かけるのはシルム大会。
シルムとは足と腰にまわした紐をつかみ合って相手を倒す、日本の相撲によく似た競技です。

もともとお洒落な女性の遊びとされていたクネティギも端午祝祭で楽しまれています。
クネティギとは長い紐で吊るされた大きなブランコに乗る遊びです。

昔の女性が綺麗な韓服をなびかせてクネティギをする姿は、とても優雅だったでしょうね。

 

端午の風習と料理

端午は厄除けをする日でもあります。韓国で厄除け効果があると言われているのが菖蒲。
女性は端午の日に菖蒲をゆでたお湯で髪の毛を洗う風習があります。

また菖蒲の根でかんざしを作り、その先端を赤く染めて頭に飾ると、
頭痛や災いを避けられると言われています。

男性は菖蒲の根で腰飾りをつくる身に付けてたそうです。

また身近な人同士で扇子を贈りあう風習もあります。
「端午を境に夏が来る」という考えから、暑い夏を乗り切る道具として扇子を贈りあったのです。

端午には、菖蒲と並んで厄除け効果があるといわれているヨモギを使った料理を食べます。
代表的なものは車輪餅(スリトッ)という車輪のような模様に型押しされたヨモギ餅です。

エンドゥファチェという、ユスラウメを使った冷たい飲み物も好んで飲まれています。
どちらも夏バテを防ぐ栄養食としても知られています。

 

暑い夏を乗り切るための知恵がたくさん詰まった端午の日。

しかし、現在はこれらの風習も端午祝祭やイベントで体験できる程度になってきています。
昔からの伝統文化が消えてしまわないことを祈りたいですね。

 

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