韓国の年間行事 ~2月(前)~
2月
韓国の本当の正月~旧正月(ソルラル)~
ソルラルとは旧暦の1月1日、旧正月のことです。
韓国では西暦の1月1日よりも旧正月のほうが大事な行事とされています。
日程は1月終わりから2月頭にかけてで毎年変わりますが、2011年は2月3日が元旦でした。
(元旦の前後1日も祝日となります)
ソルラルでは日ごろお世話になっている人や両親に贈り物をします。
日本のお歳暮のようなものです。
最も喜ばれるのは商品券や現金!
他には朝鮮人参や蜂蜜などの健康食品や家電などなど種類が豊富です。
さて、贈り物を用意したらいざ出発!!
ここで問題になるのが帰省ラッシュ。
韓国では「民族大移動」と呼ばれているほど凄まじいものです。
駅やバスターミナルは人でごった返し、高速道路は歩いたほうが早いのでは?っと
思ってしまう程の大渋滞です。
それでもみんなソルラルに合わせて田舎に帰るのですから、
とても大事な行事なのがよくわかりますね。
ソルラルの祭事
ソルラル当日の朝は先祖の霊を迎えるための儀式である茶礼(チャレ)が行われます。
それには茶礼床(チャレサン)と呼ばれる祭壇が必要なので、
ソルラル前日の女性達はその準備に追われます。
ご飯、汁物、お餅、野菜に衣をつけて焼いたジョン、魚、肉、ナムルなどの
各種和え物、果物、伝統菓子など、20種類ほどの料理が茶礼床には並びます。
時間も労力もいるとても大変な作業なので、
ソルラルなどの名節を迎える頃になると体調が悪くなる「名節症候群」という言葉もあるほどです。
最近では茶礼に必要な料理や机など一式をデリバリーしてくれるサービスも人気だとか。
準備が整ったら男性の年長者から順番に茶礼床に向かって挨拶をします。
家庭によって多少異なるようですが、正座をして深々と手をついたり、
お酒を注いだりする儀式が行われ、先祖に対し日頃の感謝を表したり、
これからの子孫の繁栄を見守ってもらえるようお願いします。
茶礼が終わると食事の時間となり、茶礼床の料理と
トックク(薄切りのお餅が入ったスープ)を食べます。
韓国にもあるお年玉と正月遊び
茶礼や食事が終わると、子供たちが待ちに待ったお年玉の時間です。
日本と同じように大人から子供へ歳拝(セベ)とよばれているお年玉が渡されますが、
歳拝と一緒に「もっと勉強を頑張りなさい」「早くいい男を見つけなさい」などの
お言葉をいただくのが韓国式です。
また韓国の正月遊びとして最もポピュラーなのはユンノリという韓国式すごろくです。
その他にはコマ回しや凧揚げなど、日本と同じような遊びもあります。
大人達には花札が昔から根強い人気を誇っています。
このように韓国でも日本と同じようにお正月は家族で過ごす時間が大切にされているのです。